新規血栓溶解薬テネクテプラーゼの
脳梗塞再開通療法への臨床応用を目指した研究
Tenecteplase versus alteplase
For LArge Vessel Occlusion Recanalization ; T-FLAVOR
国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)から助成を受けて、急性期脳梗塞の新たな血栓溶解薬開発のために、2021年から国内14医療施設が共同して研究者主導(企業からの財務援助なし)でTenecteplase versus alteplase For LArge Vessel Occlusion Recanalization (T-FLAVOR)試験を実施しています。現在、血栓溶解薬として遺伝子組換え組織プラスミノゲンアクチベータ(tPA)のアルテプラーゼが使われていますが、新しくアルテプラーゼを改変して作られた「テネクテプラーゼ」が全世界で使用され始めています。脳梗塞に対するテネクテプラーゼの治療効果が海外の複数の臨床試験で示され、近年では使用を推奨する治療ガイドラインも海外で散見されます。海外からの報告によると従来のアルテプラーゼよりも2.2倍の血管開通率を誇り、かつ脳梗塞発症後の3ヶ月の日常生活自立度も改善したと報告があります。ところがわが国ではテネクテプラーゼを取り扱う製薬企業がなく、日本脳卒中学会などからの働きかけにも関わらず、国内開発の目途が立たない状況が続きました。この状況を打破し、海外とのドラッグラグを防ぐべく、医師主導臨床試験T-FLAVORを始めました。
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